台湾山茶

12月1日2日は台湾高雄にてfarm to table project「節氣食旅 大雪」の野菜講師を務めました。
高雄近郊で収穫される旬の実りを愉しむ会です。今回のメイン食材は林檎と山茶。イベント前日に山茶の生産現場を訪ねました。

台湾南部の都市高雄の北端に属する桃源地域には在来種のチャノキが多く存在する山々があります。樹齢100年を超えるような原生林の中にあるチャノキからつくられる茶は近年様々な賞を受賞し、世界から注目されています。

この一帯は古来より台湾原住民の居住区であり、現在もその子孫の方々が森を守りながら生計を立て静かに暮らしています。今回訪ねたのは標高1,000mの宝山地区にある哈娜谷原生野生茶工房。2.5㏊の広大な山の斜面に自生したチャノキを農薬を使わずに自然栽培で管理されています。この地区を守り維持することを目的とする中で、出来るだけ自然と共存しながら、この取り組みを続けられているそうです。
こちらは樹齢70年から80年のチャノキ。4mほど見上げる高さに枝を広げています。古い樹の葉は栽培用のチャノキととは異なり、年に一度春にしか新芽を摘むことができません。また枝の先も高いところで葉を広げており、木に登り茶を摘むそうです。そのためこれだけ広大な土地があるものの、採れる茶葉は限られています。

そして、十数年前よりこの地に実生のチャノキも育てられています。森の中はよく日の当たる場所もあれば、大木の木陰になるところもあります。茶葉はまわりの土や木に影響されながら育つため、それぞれ味が異なります。

哈娜谷原生野生茶工房では紅茶、白茶、黄茶を製造しています。山の水で淹れていただいたお茶。お茶は育った土地の水でいれると一番おいしさが発揮されるように感じます。イベント用には山の湧き水を汲んで帰りました。
台灣原生山茶Taiwan Native Mountain Tea / 哈娜谷原生野山茶工坊【高雄- 寶山部落】 

この地域は夏は午後になると濃い霧に包まれることで有名。陽射しが少ないこともカテキンが少なく甘味が感じやすいお茶につながるそうです。紅茶はどれだけ入れても渋みが無く、木の葉のような甘い香りを感じました。1煎目、2煎目、煎を重ねるごと楽しめます。
茶葉を分けていただいたので日本のワークショップでも皆さまとお茶の時間ご一緒出来たらと思います。