在来種の有機茶葉
標高600メートルの茶畑は他の地域よりも収穫が少し遅め。新芽には昨年の秋からひと冬越えて蓄えられた成分があふれています。若々しい香りを残した新茶は2番茶以降のお茶よりもうまみやテアニンなどの成分も多いのが特徴。八十八夜のお茶は命を延ばすといわれたのもきっとそれゆえでしょう。宮崎茶房では昔ながらの茶摘み機または手摘みで収穫されます。この作業はお茶の風味に影響するからねと、手元は黙々と作業されていましたが、みなさん穏やかで、楽しい話し声も聞こえてくる茶摘みの風景でした。
代表の宮崎晃さんは農学部で学んだ後、実家の茶園を継がれています。有機JAS認定もとられ在来品種を含めた多品種の茶葉を育て、白茶、烏龍茶、紅茶、釜炒り茶など様々な製法でお茶を作られています。品質の証明でもある農業コンクールの天皇杯を受賞。日本の職人たちは昔から自らは大きな声で発せず、もので伝えることを美徳としてきました。宮崎さんの取り組みや思いが透けて見えるようなお茶でどうぞご一服ください。
13町歩(東京ドームの約2.8倍)の圃場にある茶葉を手摘み、または3人がかりの茶摘み機。
茶畑の先にある茶工場
中には最新の機械が整備されていますが、機械を使うのは人。熟練の人の手が温度を測り、匂いを確かめ、調整します。
別棟の紅茶、烏龍茶工場に入るとあふれ出る香りに酔いしれます。
宮崎茶房では訪問者に向けて茶摘み体験などされていますのでぜひ。
鳥の鳴き声の響く自然の中に身を置いてリラックスすると、普段はなかなか直視しづらい自分の人生や社会について考える心の余裕ができ、ついては平和な心が生まれます。心に残る映画を見た後のような晴れやかな気持ち。山から下りて自宅に戻っても、この風景を思い出しながら茶房さんのお茶をいただくと気持ちも静まりほっと一息つけます。体の健康を重視する世の中ですが、心の健やかさを保つことは同じくらい大切なこと。昔からどんな地域でもお茶で心の休息をはかってきたので、日々のいっぷくは大袈裟ですが世界平和のためにもきっと大切。
高千穂より車で30分、お茶の時間を愉しんだ後は、こちらの夕日を眺めて農家民泊もしたいなと思うこの頃です。
宮崎茶房
有機釜炒り茶 有機烏龍茶 有機紅茶 有機熟成三年番茶
宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町大字桑野内4966